インドネシア薬草旅 その①

今回の旅でしっかり見てきたかったメインテーマ　”ジャムウ”
インドネシア・ジャワ島に古来から伝わる民間療法です。

″Jamu”という、響きからしておまじないみたいなこの言葉。
それもそのはず、「呪文・魔法・祈祷」を意味するサンスクリット語Japa に由来し、ジャワ語およびインドネシア語で、「客をもてなす」「植物の根や葉などからつくられた薬」を意味するのだそうです。

旅の最初は、中部ジャワ・スマランにあるジャムウ博物館で、ジャムウの歴史、実際どんな製品があるのか、触れるところからはじまりました。

" Nyonya Meneer　Jamu Museum"

中華系ジャワ人のひとりの女性 Nyonya Meneerさんが、もともとは夫の病を治すためにジャムウつくりに勤しみはじめ、次第に行商にでるようになり、ハーブ園をつくり、ジャムウを製品化し、インドネシア国内へ流通させ、一財も築いたという歴史が刻まれた博物館です。

展示されている道具ひとつひとつがとてもおしゃれで、洗練されていて、空間も素敵。
Nyonya Meneerさんのコレクションということで、彼女の感性と経営センスもうかがえます。

昔は、すべての家庭にあったとの”ボトゥカン”　ピラミッド型の生薬箪笥。
嫁入り道具でもあったそうです。常時１５種類ほどのハーブ、スパイスがここに保管され、料理に、医療に活躍していたのだそう。

彼女のジャムウを淹れる際の愛用品。真鍮でできた美しい茶器セットと、ハーバルボックス。
香水ボトル。可愛い。

頭・心臓・肺・腎臓・胃腸のトラブルに。。目的別ジャムウ製品のパッケージ。
作用する場所が一目瞭然のイラストだったり。
女性系の疾患によいとされる植物の形が、女性の身体のラインを象徴しているものだったり。インドネシア語の細かいニュアンスはわからなくても、視覚にうったえるのが面白い。

ハーブを練ってつくられたお団子状のお薬。水かお湯でといてゆるくして、おでこにパックすると目の輝きが増すというもの、肌がきれいになるというものも。
鼻を近づけると、漢方にある、甘草と阿仙薬に似た匂いがした。お菓子のカルカンのような、軽さ。患部に１５分ほどパックするのに、つかって乾かしてつかって乾かして・・１カルカン3回つかえるのだそう。
飲み薬、塗り薬。美容に。疲労回復に。赤ちゃんに。妊婦に。様々なジャムウ。
薬用植物のなかでも、ジャムウ界のスーパースター、たっぷりのターメリック（鬱金）とヤヨイさんと。

ターメリックは、インドネシア語でKunit　ジャワ語でKunir　この単語は、後に訪れたジャムウショップ、屋台、市場、いたるところで見聞きしました。

ターメリックに含まれる成分クルクミンは、胆嚢を刺激し胆汁を増やしてくれるので、胆石の予防に。又、胆汁は腸に入った脂肪を効率よく消化、コレステロールを減らし血液をきれいにするなど、その効能は科学的にも証明されていますが、インドネシア人は経験的にそれを知っているようです。生活に溶け込んでいるのがわかります。
スマランの観光局でお仕事されているKaoriさん。案内してくださりありがとうございました！
移動中。水の中を平気でゆく車！